バリ人とコミュニケーション

2008年11月07日 23:48

人間関係において重要なものの一つにコミュニケーションがあります。日本人は親密な間柄だとしてもコミュニケーションに欠けていたり、苦手な人が多いように感じますが、バリ人においては日本人とはちょっと違う問題があるのです。

バリは日本以上に共同主義。これは住んでみないと実感しないかも知れませんが、自分勝手な人や協調性のない人は一番嫌われます。トイレも一緒に・・・とまでは行きませんが、出勤時間、食事、終了時間などは必ずみんな揃って行うのです。たとえば、仕事も、みんなが揃うまで待ってから始めたり、食事も一緒じゃないとダメだったり、家に帰るときもみんな一緒。あまり忙しくないから自分はちょっと先に帰るわ、とか、実は用事があるからと、こっそり先に帰ったりすることはないのです。自分から言い出せば、おそらく同僚の人は「いいよ」って言うのだろうけど、そう言い出すこと自体がバリ人社会ではありえないのです。そして誰かのミスも決して本当のことは言わず、周りはカバーしようと努めます。これはすばらしい思いやりなのですが、問題解決の手助けにはなりません。

話はコミュニケーションに戻りますが、共同主義社会だから、コミュニケーションもうまく取れているのかと思えば、そうとも限りません。バリ人は一日中でも電話し続けられそうなほど、おしゃべり好きなのですが、伝達するという意味でのコミュニケーションは本当に下手。話はころころ変わるし、同じ話をしようも、自分の感情や想像を加えてどんどん大げさになるし、バリ人に伝言ゲームをさせたらさぞかし面白いだろうと思うほどです。そして仕事において困るのは、伝えたことを正しく理解して実行に移すことができないこと。Aさんに言っても、「ハイ、チェックします」とか「ハイ、分かりました」と答えるだけで、その後はまったくフォローアップなし。理由はいくつか考えられます。言った内容をAさんがただ単純に忘れているか、AさんがBさんに伝えていないか(または忘れた)、BさんがAさんにフォローアップしていないか(または忘れた)、AさんがBさんからの情報を伝えるのを忘れているかです。忘れるということはとっても自然なのです。人の顔はよく覚えているのに・・・。バリ人は命令されることを嫌うけども、何回も急かさないと動いてくれません。

根本的な問題は、言葉は理解していても、その背景にある意味を理解していないということ。勉強でも、ただ暗記するのではなく、なぜそうなのかと理由を理解したら上達が早くなると言いますが、仕事においても同じことが言えると思います。「○○しないといけない」ということは分かっていても、そのことしか頭に入っていないために、じゃあ、「△△の場合は~になる」という応用が効かない場合や、その場その場のフレキシブルな対応ができないのです。言われたことができないよりはマシなのですが・・・また、シフト制の場合は引継ぎをきちんとしないといけないのに全員に同じように理解されていないので、人によってはまったく引き継がれていないこともあったりします。ローカルの場所だったら、「知らないから、明日もう一回連絡して」とか「ボスに聞いて」とか、たらい回しにされることもあったりします。そしてホテルにおいては「知らない」という言葉はご法度なため、「確認します」と一応答えますが、上にも書いたようにその後のプロセスがスムーズじゃないために、どこかで宙ぶらりんになったり・・・。言われたことすらできないことが歯がゆく感じることも多々あります。信頼していないわけじゃないけど確認作業は欠かせません。人がいい人は多いのですが・・・。

そして主なクレームの原因は突き詰めていけば、ミスコミュニケーションにたどり着きます。言葉の壁はもちろんのこと、言ったことをきちんと理解されていないのもそうだし、伝えるべきことが伝わっていなかったりするのもそうだし、結局は自分で動いたほうが早くて確実だったり・・・。来た当初はこちらで働いている人から、バリで働く大変さを聞いていましたが、こういう意味もあったのか、と。

最後にコミュニケーションでのキーとなるのは相手との信頼関係。バリ人は上司には一見従順で反抗することはありませんが、尊敬されている上司じゃないと本当の意味では動いてくれません。日本の場合でも共通しているかも知れませんが、日本人は責任感が強いので、仕事にはそこまで影響しないのでは?とも思います。バリで思うのは、ボスのために働いているような人が多いということです。厳しすぎても優しすぎても言うこと聞いてもらえないし、共同主義の人たちを指導していくのには相当のリーダーシップが求められると思います。リーダーシップって能力?それともスキル?北風と太陽の話じゃないけれど、バリでは太陽が必ず勝ちます。


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コメント

  1. hiro

    共同社会!

    日々の仕事で苦労されているウブ子さんには失礼ながら、これは面白いキーワードですねぇ。短期滞在しただけでも、バリってみんな行動が似ているなあと思うことはありましたから、なるほどと合点がいきました。
    ウブ子さんの観察眼は、近代的なサービスに慣れすぎた身にとって、ありがたい忠告です。

  2. イブウブ子

    hiroさんへ

    バリ人は日本人以上に「みんな一緒」的要素が強いと思います。女の子もみんな同じような服装&髪型ですし、悪く言えば個性がない・・・。学生もみんな同じ制服を着て、女の子は同じ三つ編みの髪型で、集団登校&下校みたいな感じです。日本人ならちょっと目立とうと、工夫をしていそうですが、こっちはそういうことを考える人もあまりいなそう。

    生活にしても、バンジャールという地域組織での活動が多く占めるため、勝手なことはできないようです。

    日本の昔に似ていると思います。

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