国連会議COP13

2007年12月07日 21:20

そういえば、12月3日から14日まで国連会議(COP13)がヌサドアで行われています。これは京都議定書以降の地球温暖化対策について、先進国と発展途上国が協力し合って目標を定めるために、毎年行われている会議らしいです。

この会議、環境破壊を阻止して、将来の地球のために対策を立てるというのが国連の目標なのだが、実際にはバリ人との理解にはかなりの差があるのには驚きました。観光業についているバリ人なら9割が「この会議が成功したら、バリ島の観光業が保障されるから、無事成功するのを祈る」と答えるでしょう・・・。

確かにこの会議が何事もなく終了したら、バリ島は行っても安全というレッテルが貼られるので、来年度以降のバリ島の経済に良い影響があるのは間違いないとは思うのですが、やっぱり国連の本来の目的とは違うような気がします。そこは、やっぱりバリ人にとって環境保護というのは全く関係ないトピックであって、発展途上国であるがために重要なのは高利益・高度成長なのです。

バリ島というと、『きれいな海と豊かな緑』という自然の宝庫のようなイメージが先行しがち。でも、人々の暮らしに目を向けると、ゴミや大気汚染や貧困など、観光客が目をそらしたくなるような問題が見えてきます。たとえばゴミ問題。バリでは生ゴミを始め、バナナの葉やココナッツの実など、捨てても土に戻るものがゴミとして決まった場所に捨てられていました。ブンクス(持ち帰り)する食べ物にもバナナの葉が使われていました。今でも田舎のほうに行けば使われています。

ところが、現代化が進み始めた最近では、プラスチックやビニールなどがゴミの大半になり、にも関わらずゴミは昔と同じように捨てられているのです。一度、車の中のゴミをある場所でまとめて捨てたバリ人に聞いたことがあります。「えっ、ここで全部捨てていいの?」と。もちろん生ゴミだけじゃなかったのですが、答えは「ダイジョウブ、土の栄養になるから」???

正直、知識のなさに驚きが隠せませんでした。大人がそういうことを平気で言えるというのは、いかに子供のころの教育において正しい知識を得ることができなかったのか・・・。バリの学校についてはよく分かりませんが、語学とか算数、宗教などには力を入れてそうですが、日本のように理科や社会で環境について学ぶ機会がないのでは?と思っちゃいました。

このことは、ウブドの町中を歩いていてもよく分かります。道端、川沿いなど、どこでもゴミが溢れているのです。しかも、ゴミ箱に入っているのではなく、ばらばらに落ちているのが現状です。タバコの吸殻、お菓子のくず、ペットボトル、缶、シャンプーのビニール袋(バリでは1回に使う量ごとに小さなビニールに切り分けられている)など、いろいろあります。マヤ・ウブドへの道沿いにも、周辺住民のゴミ捨て場があり、冷蔵庫も放置されていることもあるんです!

また、夕方近くになるとあちらこちらで草を焼いたり、各自でゴミを燃やしたりしている光景を見かけます。煙が出ているので、匂いですぐに分かるのですが、吸って気持ちいいものではありません。草だけならいいのですが、変な匂いが混じっているので、ビニールやプラスチックなどからの有害物質も含まれていると思います。そして、車やバイクからの排気ガス。こっちの車は新車っぽいのが多いので、排出量は違法なものではないとは思いますが、最近お金持ちになってきたバリ人の車所有率が上がっていることは間違いありません。そして、一人に1台というほど町に溢れているバイクの量。おんぼろバイクやVESPAのアンティークなどは汚い排気ガスを出しまくっています。

皮肉にも国連会議が行われているヌサドゥアは、バリ政府が観光業を促進させるために切り拓いた人工的なエリア。大型リゾートホテルが3つのゲートで仕切られた敷地内に点在して、本来のバリとはかけ離れた雰囲気です。これを機に、少しでもバリ人に環境への意識を高めてほしいと思うのですが、あと数十年はかかりそうです。最近では、欧米人などのボランティアが中心となり、ゴミ箱を設置したり、道路清掃車を走らせたり、ゴミ拾いデーを設けたりしているのですが、やっぱり原点は教育だと思います。ゴミは捨てたら土に返らないこと、川沿いにゴミを捨てたり、川で洗濯したら、環境を汚染することなど、基本的なことを知ってもらいたいです。観光業で成り立っているバリでこそ、その豊かな自然が失われたら観光客も次のパラダイスを求めて去っていくという事実に早く気づき、まだ美しいバリの風景を守ってほしいと思います。

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コメント

  1. Fiona | URL | -

    バリの将来

    バリで国連温暖化対策会議?
    確かにその話題を始めて耳にしたとき、違和感がありました。今も、なぜバリなのかと思っています。(インドネシア政府が国連に働きかけて会議を誘致したのだと思いますが)
    10年前に私が住む京都でCOP3が開催されたとき、京都市ではゴミの分別回収すらできてなくて、会議を誘致した行政の厚顔無恥に呆れたものです。会議を誘致する前に他にもっとすることあるだろうと。
    あれから10年、他自治体に比べればまだまだですが、京都でも分別収集は多少なりに進んできていますし、「京都議定書」という言葉は生き続けています。
    「ポスト京都」といわれるバリで新しい環境への枠組みが生まれたなら、きっとバリも徐々にですが、環境への意識が芽生えるのではないでしょうか。そう思いたいです。

  2. イブウブ子 | URL | -

    I hope so...

    日本でもそうだったように、人々の意識を変えるには時間がかかります。今のバリは、特に南部のリゾート地域ではバブル状態で物価も高騰しています。環境に目を向けさせるのは相当難しいかも知れません・・・。

    なぜバリか・・・それはおそらくFionaさんの推測どおり、インドネシア政府の思惑があると思います。バリ島の最高の宣伝になることは間違いないし、2度のテロで大きな打撃を受けたバリの観光業を復活させるべく、多額の経済効果も見込めます。

    インドネシアは発展途上国なので、中国、インドなど同様、先進国がこれまでの環境破壊の責任を取って進めるべきという考えが強いように思いますが・・・バリ人にとって、COP13は、国連会議であることしか意味を持っていないのが現状のように感じます。

  3. 寝太郎 | URL | -

    成功を祈ってます

    バリでの会議ってどうなのかな・・・と思っていたらタイムリーな記事で思わずコメントしちゃいました。
    バリに限らずですが、アジアのこれから発展していこうとしている国々では、環境問題なんて重要視されてないですよね。
    みんな、ゴミの行方なんて気にしてない。
    でも、今から環境問題の勉強を国内で徹底すれば、何年たっても損なわれない素晴らしい本当の楽園ができるのに・・・と思うと残念でなりません。
    でも、こんな事考えるのは私たちが日本人で充分に発展を遂げ、不自由ない暮らしをしているから、なんでしょうね。
    でも、会議が開かれた事でインドネシア政府も開催国としての責任ができるわけで、少しづつ・・・環境問題対策がとられるようになっていくと思います。そう願いますね。

    開催はヌサドゥアですが、ウブドにも会議の影響ってありますか?ホテル、混んでたりするのでしょうか?
    ヌサドゥアは安全対策でてんやわんやでしょうね。

  4. イブウブ子 | URL | -

    ヌサドゥア

    会議では今後10年の方向を決める「バリ・ロードマップ」となるものを作るらしいです。ヌサドゥアは、一般客は立ち入り禁止らしいですよ。ホテルも全部関係者の宿泊で満室だってききました。(というより、他のお客さんは受け入れていない)

    この会議だけで1万五千人来ているらしく、皮肉にもこのための飛行機燃料、会議のエアコン、移動の車などを考慮すると、この期間のバリ島の二酸化炭素排出量はかなり多いはず。ちなみに今の時期は、ウブドでは観光客の数がかなり少ないです。


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